■薄氷を踏むパン■
このシーンの前、西太后に税の免除を申し出たとき…
あの場にいる皆が、この男は出過ぎだと感じたと思います。
西太后は、珍しく自分に率直に意見する面白い男が来たな、と思って
OK出したのかも知れないけど、あれが確実にパンの命を縮めたんですよね。
それまで擁護してくれてたチェン大臣が、自分の勢力拡大のための手駒だったはずの男に
追い落とされる危険を感じて、パンを捨て石にする決意を固めたんだと思うし。
戦上手のパンならもっと慎重に行動しそうなんだけど、今言わなきゃもう
上申する機会はない!と思っちゃったのかな。
後から免税お願いしますって上申書出しても、大臣に握り潰されそうだし。
身の保身って言葉とは縁遠くて、民衆の事を思うと熱くなっちゃう男なんですね。
でももう少し、自分を大事にして欲しかったなあ…。
舒城攻略の時パンは「戦は博打だ」と言ってたけど、パンにとっては人生そのものが
自分の身ひとつしか賭けるものの無い大博打だったんだと思います。
だから投命状を誓うとき、自分の命を賭けた。
賭け事は、負けると思ったら負ける。と言う言葉があります。
ずっと強気で来たパンが『たどりつけるかな』と弱気な言葉を口にした時点でもう、
自分は辿り着けないのではないか、と思っていたように感じます。
舒城攻略戦のさなか、ここで死ぬのかと言うパンを励ましたアルフとウーヤン。
彼らがそばにいたからパンはここまで来られた。
でも、二人がいたから、辿り着けなかった。
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