■パンの孤独■

パンは、孤独だったと思います。

みんなと同じ物を見ていても、誰も自分と同じようには見えていない。

常に未来を見据えていたパンと、ひたすら今を生きたアルフとウーヤン。

リィエンにも、パンと同じ物は見えてなかったと思う。



戦場のみが戦いの場であるアルフとウーヤンと違って、パンの敵は太平天国軍だけでなく…

同じ清軍の将であるはずのクイや、大臣までもが彼を追い落とそうと狙っている。

政治的な駆け引きでは、アルフとウーヤンには、パンを助ける事はできない。

パンは大臣から兵を預かり兵糧を引き出し、魁軍の監視に気を配りつつ戦略を練る。

ひたすら独りで戦う。



でも、そんな張り詰めた時間の中で、ウーヤンの言う

「厳しかったけど楽しかった」時もあった。


蘇城までの三年間、三人が共に戦場に立つ時間だけが

戦を終わらせ民のための世を作りたい。

という同じ夢を追う事が出来た、わずかな時だったのかも知れない。



…みたいな事を思いました。

だってパンは、その回想シーンしか、ほんとに楽しそうな笑顔がないんですもの…。