■待てない男アルフ■
パンは蘇州攻略の意思があることを隠しておくつもりだったんでしょうね。
大臣相手に駆け引きして兵や兵糧を引き出すんだから、
手の内は読まれないようにしなきゃいけない。
最初のうちは、「太平軍と戦わすのにちょうどいい、戦しか能の無い扱いやすい男だ」
ぐらいに思わせてた方が警戒されずにすむし。
なのに、あのアルフの発言で、自分が南京を落とし、この戦を終わらせる手柄を立てて
政界に食い込む意志があるってことまでバレちゃった。
いきなり切り札のカード切っちゃったようなものかな〜。
大臣は、田舎侍が吠えてるわ、ぐらいの扱いで笑ったけど、そういう意志があるって
わかった以上、対応も変わってくるよなあ。
大臣の前で蘇州攻略の話をしたけど相手にしてくれなかった、けど蘇州を攻めた。
だと、大臣が望まない事をした、従わなかった部下って事になっちゃう。
でも話をしてなければ、山軍が蘇州に攻め込むなんて予想もしてないから、そういう動きが
あるって分かってからあわてて対策考えて…じゃ大臣の方が後手後手に回る。
そのスキにどんどん進軍して戦功立てて、山軍の名が知れ渡って…
そしたら「大臣は蘇州攻めをご存知ない」ので兵糧は出さない、みたいな言い訳はできなく
なるだろうし、大臣がおおっぴらに蘇州攻めをやめろ、って言ったら
「大臣が南京をおとす事を望んで無いとは思いませんでした。だって太平軍の鎮圧は
西太后様のご意志でしょう?」ってやりかえせば良いもんね。
自分達の覇権争いのために戦を引き伸ばしてる、みたいなことが西太后に知れたら
困るの大臣だし。
…などと、政治も軍事の駆け引きもよく知らない頭なりに考えてみました(笑)
アルフは、ここでは余計な事言っちゃうし、戦のときも「構え」と言われた時突撃しちゃうし、
待ってなきゃいけないのに単身蘇城に乗り込むし…
軍であんな命令無視したら、十分銃殺ものだと思います…。
でもパンはアルフを殺せない。兵を鼓舞する力があるのはアルフだから。
それだけじゃなく、やっぱり義兄弟として友として、アルフを愛してたんだろうな。
だって兵をまとめるためだけにアルフが必要なら、南京を攻略した後はもう用済みだもん。
勝手に褒賞を分け与えたアルフを処罰することだって出来たはずだし、逆に
本当はそうしなきゃいけなかったんじゃないかなあ。パンはそれまで規律を守ることで
軍をまとめてきたんだから。例外を認めちゃ、軸がぶれちゃう。
非情になりきれないところが、パンの魅力でもあり、命を縮めた原因でもあって…。
アルフがもう少し待てる人だったら…
…ってこれじゃまた映画にならないけど(笑)ついそう思っちゃいます。。。
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