手鏡パン

投名状を誓った後、大臣への手土産にと太平天国軍に戦を仕掛ける場面です。

手の位置のせいか、やけに控えめな人に見えます(笑)

しかしその後、ウーヤンを助けて、爆発的なスピードで敵の首領を倒します!

助け方もカッコイイし、控えめな風貌からのギャップもたまりません☆

それまで村人はアルフも含めて、パンの事をちょっと冴えないオヤジだなあ…って

見てたと思うんですよね。アルフは、パンは大した人物らしいとは思ってたけど、

ここまで強いとは予想してなかったんじゃないかな。

 

この戦闘のあと、パンはウーヤンに靴をあげますよね。

初めて組織的な戦いを経験して色々学んだウーヤンに、

これから一人前になるようしっかり歩んで行け、みたいな意味も込めて

自分の靴をあげたのかな、と思います。

 

あ、そういやウーヤンは、自分の靴を周りの子供に渡しちゃいますよね。

私はてっきりパンと交換するのかと思ってました。だってそうじゃないと…

パン、裸足?(笑)

 

この戦闘から、パンに対するウーヤンの気持ちは、

子供っぽい憧れから尊敬や崇拝へと変っていったんだと思います。

こんなすごい人が自分の兄だ、って誇りにも思っただろうなあ。

でも、パンは投名状を信じてなかったんですよね…。

 

■投名状を信じなかったパン■

これはもう…仕方ないと言うか…。

パンは最初から「統治する者と、民」というくくりで人々を見てて、

アルフとウーヤンの見方は、「自分と仲間、それ以外は敵」。

誓いのときに殺されるために連れてこられた通行人も、パンにとっては守るべき民であって

「義兄弟の命は自分の命で、それ以外は殺しても構わない」

という投名状の考え方自体を、受け入れることが出来なかったんだと思う。

でもパンには、統治する側の人間になりたいと言う野心があって、

それには二人の力が必要で…。

だから、投名状は信じないけど、信頼に足る人物であると思ったアルフとウーヤンを信じて

誓った。

そのときは、利用するとかそんなことは全然思ってなくて、

この二人と一緒に戦を終わらせて、誰も虐げられることの無い世を作ろうって

本気で思ったんだと思う。

アルフは…パンと同じで、投名状というより、パンとウーヤンを信じてたような気がする。

パンと袂を分かち、南京から去ろうとさえしたアルフが、暗殺計画があると聞いて

パンの元に駆けつけたのは、誓いがどうこう言う前に、パンの身を案じたからなんだと思う。

ウーヤンは、ただ純粋に投名状だけを…んー、最初はそうじゃなかったと思うんだよな…

というか、三人一緒の時は、投名状を信じるのも兄達を信じるのも同じで。

二人の兄が別の方向に進もうとしたとき、どちらが正しいか自分ではわからなかったけど、

賢く強い兄はいつもわかるように説明してくれた。

でもその兄がもう一人の兄を殺そうとした時、説明してはくれなかった。

自分で考えて義姉さんを殺したけど、アルフは助からなかった。

もう、アルフも、義姉さんも、あの賢い兄もいない。

いるのはただ、アルフを殺したパン・チンユンという男だけ。

自分にはもう、投名状しか残されていない。

…みたいに追い詰められていったのかなあ。